ダイハツ純正ディスプレイオーディオに格安TVキットを取り付け【配線改造解説付き】

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<2023.11.11追記>
車速パルス信号に関する内容を修正しています。
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ダイハツのタントファンクロスを購入し、メーカーオプションの9インチスマホ連携ディスプレーオーディオを付けました。
運転中でも助手席の人がナビを操作したりTVを観られるようにしたかったのですが、節約のためにディーラーには頼まず自分でやってみました。

1万円程度するTVキットは使わずに、アマゾンで売られている安いケーブルを購入し配線を少しいじる事で2千円程度に費用を抑えることができました。

同じように自分で取り付けしようとしてる人の参考に少しでもなればと思い整理しましたので紹介します。

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TVキットとは

車が走行中は安全のためにテレビ視聴やナビ操作ができないよう制限がかかりますが、走行中でも助手席の人などの同乗者がテレビ視聴やナビ操作ができるよう制限を解除する機器がTVキットです。
ナビキットやテレビキャンセラーなどの呼び方もします。

運転手が運転中にテレビを注視したりナビ操作することは罰せられますが、同乗者のためのTVキットですので取り付けすることは違法ではありません。

購入したTVキット

こちらのTVキットを購入しました。パーキングブレーキ(サイドブレーキ)信号や車速パルス信号がアサインされている24ピンケーブルとディスプレイオーディオ(ナビ)の間にカプラーオンで割り込ませる形で接続する製品です。

この製品のケーブル配線を確認すると、パーキング信号をアースに落とすようにしているだけでした。そりゃ安い(いや、2千円でも高い…)という感じですが、最近のディスプレイオーディオ(ナビ)はパーキング信号をアースに落とすだけではほとんどが制限解除されないと思います。

TVキットで検索するとよく目にするデータシステムの製品であれば何も考えずに説明書通りに取り付ければすぐ終わりだと思いますが、今回は安く済ませるが目的でしたので、誘惑に負けず安いケーブルを改造します。

走行中に制限がかかる仕組み

オーディオディスプレイ(ナビ)は、パーキングブレーキが引かれているかと車の速度を見ることで走行中なのか停車しているかを判断しています。
パーキングブレーキが引かれるとHighからLowに変化する信号と、車が走ると速度に応じて周期が変わるパルス信号がオーディオディスプレイ(ナビ)に接続されています。

これらの信号をアースに繋ぐと常時Lowになりますので、走行中でもディスプレイオーディオ(ナビ)としてはサイドブレーキが引かれ停車中の状態と誤認識してTV視聴やナビ操作の制限が掛からなくなるというわけです。

テスト端子もアースに繋ぐ必要があったり、車速パルスはアースに繋がなくても良かったり、ディスプレイオーディオ(ナビ)によって解除の仕方が異なりますので注意が必要です。

9インチスマホ連携ディスプレイオーディオの制限解除方法

ダイハツのメーカーオプションの9インチスマホ連携ディスプレーオーディオの制限解除は一筋縄では行きませんでした。始めに断らせてもらいますが、試行錯誤して解除したため不要な手順もあるかもしれません。

曲がりなりにもたどり着いた結論としては、ディスプレイオーディオの24ピンカプラー(コネクタ)に入力されている以下3つの信号を切断し、代わりにアースに接続することです。

<2023.11.11追記>
9インチスマホ連携ディスプレイオーディオはパーキングブレーキとIG(イグニッション)電源をアースにつなげば制限解除できます。
車速パルス信号をアースに落としてしまうと、Apple CarPlayで地図アプリを使用した時現在位置が正しく表示されませんでした。マップ上に左に曲がるルートがあると、真っすぐ進んでいるにも関わらず左折して進んでいることになって現在位置がずれてしまいました。
どうやらディスプレイオーディオが取得した車速パルス信号の情報をiPhoneに転送しているようです。

  • パーキングブレーキ信号
  • 車速パルス信号(※対処不要です 2023.11.11修正)
  • IG(イグニッション)電源

注意:ディスプレイオーディオ側のケーブルをアースに繋げて下さい。車両側のケーブルをアースに落とすと不具合の原因となり、特にIG電源をアースに落とすとショートしヒューズが溶断します。

24ピンカプラーのピン配置はこちらです。

24ピンコネクタピン配置

準備する道具

準備する道具はこちらです。

準備する道具
  • プラスドライバー(マグネット付推奨)
  • ニッパー
  • ハサミ
  • カッター
  • 養生テープ
  • ビニールテープ
  • パネルリムーバー
  • 大きめのタオル

プラスドライバーはネジで固定されているディスプレイオーディオ(ナビ)を取り外す時に使います。ネジがくっつく磁気化されたドライバーがおすすめです。

ニッパーはケーブルを切断する時に使います。持ってない場合はハサミで代用しましょう。絶縁用に使うビニールテープを切る時にもハサミがあると便利です。

カッターはケーブルの被覆を剥がす時に使いました。もしワイヤーストリッパーがある方はそちらを使いましょう。

パネルリムーバーはディスプレイオーディオ周りのパネルを取り外すのに使います。購入したTVキットに1個付属していましたが、2個以上あると作業しやすいです。小さな隙間を作ってそこからパネルを外すので買い足す場合は小型のパネルリムーバーの購入をおすすめします。

作業中は車を傷つけてしまう可能性がありますので、大きめのタオルや養生テープで車を守りましょう。

TVキット取り付け作業

パネルの開け方

TVキットを取り付けるためオーディオディスプレイ(ナビ)周りのパネルを外します。まずは車が傷を付けないようテープと大きめのタオルで養生します。

タオルとテープで養生した様子

運転席側から覗くとパネルリムーバーを引っ掛けられる窪みがあるので、そこを起点にリムーバーでパネルを上方向に持ち上げます。新たにできた隙間に別のリムーバーを差し込み少しずつパネルを剥がします。

パネルリムーバーを差し込んだ様子

パネルが取れるとこのような感じです。

パネルを外した様子

オーディオディスプレイ(ナビ)の取り外し

ネジを外してオーディオディスプレイを引き出した様子

オーディオディスプレイ(ナビ)が4箇所ネジ止めされていますのでドライバーでネジを外します。この時ネジを落とさないよう気をつけましょう。奥に落ちると拾うことが不可能です。

ネジを外したらオーディオディスプレイを手前にゆっくりと引っ張り出します。ケーブルが接続されていて完全には引き出せないので、ケーブルのコネクタが見えるところまで引き出せればOKです。

TVキットのケーブル改造

購入したTVキットはパーキング信号を入力しているピンをバックカメラ用GND(≒アース)に接続していました。これだけではダイハツメーカーオプションの9インチスマホ連携ディスプレーオーディオは走行中の制限が解除されませんので、車速パルスとIG電源が入力されるケーブルをアースに接続するよう改造します。アース接続はオーディオディスプレイ(ナビ)の筐体にケーブルを繋ぎます。

<202311.11追記>
画像では車速パルスを切断していますが、車速パルスのアース接続は不要です。

ケーブルの改造完成図

24ピンカプラーのピン配置とケーブルの色を見ながらIG電源と車速パルス(※対処不要でした)と繋がるTVキットのケーブルを確認してください。
最悪、間違ったケーブルを切断してもTVキットを買いなおせば問題ありません。

アースに落とすケーブルがネジ止めする位置まで届くよう、TVキットのメス側のコネクタ付近をニッパーで切断しオーディオディスプレイ側のケーブルが長くなるようにします。筐体にネジ止めするためにケーブルをカットしてカッター等で被覆を剥がし導線を剥き出しにします。車両側のケーブルはビニールテープなどを使ってしっかり絶縁処理しましょう。下の画像は車速パルスのケーブルのみ切断した画像です。
<202311.11追記>
画像では車速パルスを切断していますが、車速パルスのアース接続は不要です。

ケーブルを改造の様子


はんだ小手や圧着工具が必要ですがU字端子(クワ型端子)があれば筐体にネジ止めするときに便利です。

TVキットの取り付け

24ピンのケーブルをオーディオディスプレイ(ナビ)から取り外します。取り外したケーブルとオーディオディスプレイ(ナビ)の間にTVキットを割り込ませるように接続します。

そして予めカットした車速パルス信号とIG電源の配線を筐体にネジ止めします。これで完了です!

<202311.11追記>
画像では車速パルスを切断していますが、上述したように車速パルスのアース接続は不要です。

車速パルス信号とIG電源の配線を筐体にネジ止めした様子

あとは逆の手順でオーディオディスプレイ(ナビ)とパネルを元に戻します。これで作業は完了です。

その他

テストピンについて

走行中の制限解除を実現するまでに試行錯誤した途中経過を備忘録も兼ねて記載します。

ダイハツ、トヨタ系はパーキングブレーキ信号ピンとテストピンをアースに落とせば大体はキャンセルできるようです。なので、まずはテストピンが24ピンのうちどこに配置されているかを探してみました。
配線図は納車の時にダイハツから無料で貰えましたが、テストピンはユーザーがイジることを想定していないため情報は開示されていませんでした。

社外ナビ向けに車両から伸びている24ピンコネクタを5ピンと20ピンに変換する車両信号変換ケーブルAという製品があります。この5ピンコネクタにはパーキング、車速パルス、IG電源、テストピン、リバースが割り当てられているようです。
24ピンコネクタのピン配置から、テストピンは24ピンの”10”と”22”の位置のどちらかに割り当てられていると推測しました。

テストピン位置の推測

しかしこの2つのピンをアースに繋いだ人がいたようですが、パーキング信号と車速パルス信号のアース接続と組み合わせても、どちらも走行中の制限は解除は出来なかったようです。

テストピンではなく、今回IG電源が入力されているピンが走行中の制限解除に関与していることが分かりました。このピンは走行中の制限解除に関わる何かの設定の有効・無効を決める外部設定ピンと思われます。
IG電源が接続され12V(High)が見えると有効、アースに落として0V(Low)が見えると無効、というような動きになっていると推測します。

車速パルス信号について

車速パルスはGPSの補助的な信号です。トンネルに入った時などGPSの受信が弱いときに、車速パルスから得られる速度情報を使って現在位置を補正します。ナビに対して車速パルス入力を切断すると位置補正が機能しなくなるデメリットが発生してしまいます。
他にも車速パルスの用途があるかも知れませんが、GPSの補助だけであればナビのないオーディオディスプレイには影響ないと思われますが実際のところは未検証です。

<2023.11.11追記>
ダイハツメーカーオプションの9インチスマホ連携ディスプレイオーディオは、車速パルス信号をアースに落としてしまうと、Apple CarPlayで地図アプリを使用した時現在位置が正しく表示されませんでした。マップ上に左に曲がるルートがあると、真っすぐ進んでいるにも関わらず左折して進んでいることになって現在位置がずれてしまいました。
どうやらディスプレイオーディオが取得した車速パルス信号の情報をiPhoneに転送しているようです。

さいごに

ディスプレイオーディオに入力されている配線を自分で改造し、何とか走行中でもTV視聴やナビ操作ができる様になりました。車速パルス信号を切断する必要があったのか検証できていませんが、今のところ不自由なく使えています。
この記事を参考に改造される方は自己責任でお願いいたします。

コメント

  1. もみじ より:

    IG電源とパーキングブレーキ信号をアースに落として施工したのですが9インチディスプレイオーディオ本体の右に表示されているホームボタン等のバッグライト常時消灯になりました。
    同じような状態になってますでしょうか?

    • しゅん しゅん より:

      コメントありがとうございます。
      申し訳ありませんが、諸事情で現在ディスプレイオーディオの状態を確認できません。
      IG電源とパーキングブレーキ信号をアースに落としたことでオーディオディスプレイの夜間時画面照度設定ができなくなる事象あるようで、改造によって何かしらの副作用が発生してしまうようです。